相続発生後の手続の流れ
各手続の詳細
- 7日以内 死亡届の提出と埋火葬許可証の交付申請
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死亡を知った日から原則7日以内に、役所に死亡届を提出します。
- 提出先
- 故人の死亡地・本籍地または届出人の所在地の役所
- 添付書類
- 原則として、死亡診断書または死体検案書
また、死亡届を提出するのと同時に火葬(埋葬)許可申請書を提出し、火葬(埋葬)許可証を受領します。
- 10日以内 厚生年金の受給停止
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故人が厚生年金を受け取っていた場合には、死亡後10日以内に、厚生年金の受給停止手続をします。
- 提出先
- 年金事務所または街角の年金相談センター
- 必要書類
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- 受給権者死亡届(報告書)
- 亡くなった方の年金証書
- 死亡の事実を明らかにできる書類(戸籍抄本、死亡診断書のコピーなど)
なお、日本年金機構に個人番号(マイナンバー)が登録されている場合には、受給権者死亡届(報告書)の提出は不要です。
- 14日以内 国民年金の受給停止
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故人が国民年金を受け取っていた場合には、国民年金の受給停止に関する手続も必要です。
- 提出先
- 年金事務所または街角の年金相談センター
- 必要書類
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- 受給権者死亡届(報告書)
- 亡くなった方の年金証書
- 死亡の事実を明らかにできる書類(戸籍抄本、死亡診断書のコピーなど)
なお、日本年金機構に個人番号(マイナンバー)が登録されている場合には、受給権者死亡届(報告書)の提出は不要です。
- 14日以内 国民健康保険・介護保険の資格喪失届
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故人が国民健康保険に加入していた場合には、国民健康保険に関する届出が必要です。
また故人が以下の条件に当てはまる場合、介護保険の資格喪失手続も必要です。- 65歳以上の方
- 要介護・要支援認定を受けていた40歳以上65歳未満の方
- 手続する場所
- 故人の住民票のある市区町村役場の窓口
- 必要書類
- 資格喪失届
- あわせて返還する書類
- 保険証など
- 14日以内 世帯主の変更届
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世帯主の方が亡くなった場合には、お住まいの市区町村役場の窓口に世帯主変更届を提出し、新しい世帯主を届け出なければならないことがあります。
具体的には、「世帯に15歳以上の方が2人以上残っており、新しい世帯主が明白ではない場合」です。一方、以下のような場合には、誰が新しい世帯主になるのかはっきりしているため、世帯主変更届を出す必要はありません。
- 世帯に残ったのが1人だけの場合
- 世帯に残ったのが親1人と15歳未満の子どもだけである場合
- できるだけ早く 遺言書の調査・検認
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被相続人が遺言書を作成していた場合には、遺言書の内容が財産の分け方に関して大きな意味を持ちます。
遺言書が見つからない場合、被相続人のご自宅を探していただくほか、法務局(自筆証書遺言の場合)や公証役場(公正証書遺言の場合)に対し照会をかけることで見つかる場合があります。
遺言書が見つかったら、家庭裁判所で検認の手続を行います。検認とは、遺言書の内容を明確にして、偽造・変造を防止するために行う手続です。
- できるだけ早く 相続人調査
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相続人が誰であるかということは、遺産分割協議や相続税申告など、その後に控える手続の重要な前提情報となるので、早期に相続人を確定する必要があります。
そのため、被相続人の死亡の戸籍からたどって、戸籍を収集し、法定相続人にあたる方を確定しなければなりません。
- できるだけ早く 相続財産調査
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財産を受け継ぐかどうか、またその財産をどのように分けるかなどの事項を決めるうえで、財産の調査は必要不可欠です。
金融機関などの窓口で必要書類を提出し、残高証明書を発行するなどして調査を行います。
- できるだけ早く 遺産分割協議
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遺産分割協議とは、相続人たちの間で相続財産をどのように分けるかを決める話合いのことです。
当事者間で話合いがまとまらない場合は、弁護士に依頼して交渉や調停の手続を行うことになります。
- できるだけ早く 名義変更等
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遺産分割協議で決めた内容に基づいて、財産の名義を相続人に変更したり、解約や払い戻しを行ったりします。
金融機関などの所定の必要書類を揃えて、手続を行う必要があります。
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3ヵ月以内
相続放棄
(相続せず、相続放棄する場合) -
被相続人の死亡を知った日から原則3ヵ月以内に、家庭裁判所に対し相続放棄の申述を行う必要があります。
相続放棄をすると、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことになるため、相続することを前提とした手続(財産の名義変更など)は行えなくなります。
該当の手続をお考えの方は注意するようにしましょう。
- 4ヵ月以内 所得税の準確定申告・納税
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故人が個人事業を営んでいた場合、相続人はその故人の代わりにその年の確定申告を行います。
これを「準確定申告」といい、1月1日から死亡した日までの所得と税額を申告・納付します。
期限は、この相続人が相続の開始を知った日の翌日から4ヵ月以内です。- 手続する場所
- 所轄税務署
- 必要書類(※)
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- 申告書
- 死亡した者の所得税および復興特別所得税の確定申告書付表
- ※上記書類のひな型は税務署にて取得できます。
- 10ヵ月以内 相続税の申告・納税
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一定額以上の遺産があれば、相続税の申告・納付が必要となります。
期限は、故人が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内です。- 手続する場所
- 故人の住所地を所轄する税務署
- 必要書類
- 相続税の申告書など
- 期限
- 故人が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内
- 1年以内 遺留分侵害額請求
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本来は法定相続人であるのに、遺言の内容によっては十分な遺産を相続できないケースがあります。
この場合、遺留分権利者なら「遺留分侵害額請求権」という権利を行使して、遺産の一部に相当するお金を受け取れる可能性があります(※)。
遺留分権利者にあたるのは、以下のような方です。- 被相続人の配偶者
- 被相続人の子
- 被相続人の直系尊属(親など)
なお、遺留分侵害額請求権を行使できるのは、「相続が開始したこと」、「遺留分が侵害されていること」を知ったときから1年という期限があります。
- ※相続放棄をした場合、遺留分侵害額の請求はできません。
- 3年以内 相続登記
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2024年4月1日から相続登記が義務化されました。
2024年4月1日以降に発生した相続で不動産を取得した場合は、不動産取得を知った日または遺産分割協議の成立日から3年以内に相続登記を行う必要があります。- ※2024年3月31日以前に発生した相続で不動産を取得している場合は、上記または、2027年3月31日までのいずれか遅い方までの相続登記が必要です。
- 5年以内 遺族年金の請求
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「遺族年金」とは、国民年金・厚生年金保険の被保険者が亡くなったときに、一定の要件を満たせば、その方によって生計を維持されていた遺族が受け取れる年金のことです。
国民年金に加入していた場合には遺族基礎年金・寡婦年金を、厚生年金に加入していた場合には年金事務所に遺族厚生年金を請求します。
請求期限は、死亡した日の翌日から5年です。
原則として、これ以上経過すると遺族年金をもらえる権利が順次なくなっていきますのでご注意ください。
- 5年以内 未支給年金の請求
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未支給年金とは、年金を受け取れる方が亡くなった場合に、その方に支給すべき年金でまだ支給されていないもののことです。
請求期限は、最後の年金支払日の翌月1日から5年以内です。
期限内に請求しないと権利を失ってしまいますので注意しましょう。
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