遺言・遺産相続の弁護士コラム

相続人がいない場合、あなたの財産はどうなる?

遺言

あなたに相続人がいない場合、あなたが亡くなったあと、あなたの財産はどうなるのでしょうか。この記事では、相続人がいない場合の手続について解説します。

この記事でわかること
  1. 法定相続人の範囲
  2. 相続人不在時の財産の扱い
  3. 遺言書作成の必要性

遺言書がなければ法定相続人が相続する

あなたが亡くなったあと、遺言書がない場合には、民法で定められている相続人に財産が相続されることになります。この民法で定められている相続人のことを法定相続人といいます。
民法では、相続人となる者を以下のように定めています。

  • 配偶者
  • 孫(ひ孫)
  • 祖父母(曾祖父)
  • 兄弟姉妹
  • 甥、姪

また、法定相続人には「法定相続順位」という優先順位があります。

なお、婚姻届を出していない内縁の配偶者や離婚した元配偶者、子の配偶者などは法定相続人に含まれないので注意が必要です。

法定相続人がいない場合、あなたの財産はどうなる?

法定相続人がいない、遺言書により相続財産を受け取る方もいないという場合、あなたが残した相続財産はどうなるのでしょうか?

その場合、あなたの相続財産について利害関係を有する人や検察官が家庭裁判所に請求すると、相続財産清算人が選任され、清算のために管理されることになります。
そして家庭裁判所は、一定の期間内に相続財産に対して権利を主張することを公告します。
これにより、仮に亡くなった人に未払金があった場合や、お金を貸していたなど債権をもっている方がいた場合には、相続財産清算人によって相続財産から支払われることになります。

そのほか、亡くなった方の生前に生計を同じくしていた内縁の配偶者や、介護など身の回りの世話をしていた方など、「特別縁故者」と認められる方がいるケースもあるでしょう。
その場合、特別縁故者の方が申立てをすることにより、相続財産を受け取ることができる場合があります。

未払い金などの清算が終わり、特別縁故者もおらず、最終的に残った財産については、国庫に帰属することになります。
相続人がいないために国庫に納められることになった金額は、2022年度段階で768億円にのぼるとされており、年々増加しています。

遺言書作成の必要性

例えば、あなたがお世話になった方に財産を引き継ぎたい、特定の団体に寄付したいと考えていたとしても、何もしなければあなたの財産は最後は国庫に帰属することになってしまいます。
また、特別縁故者の方がいれば、その方に財産を引き継げる可能性はありますが、家庭裁判所への申立てといった手続などで大きな負担がかかることになります。
あなたがもし誰かに相続財産を分け与えたいと思うのであれば、必ず遺言書を残すようにしてください。

アディーレにご依頼いただければ、遺言書作成に必要な書類を依頼者の方に代わって収集します。(※)

  • 一部の必要資料については、依頼者の方にご用意いただく場合がございます。

また、依頼者の方のご希望に沿った内容かつ法的に有効な遺言書を作成できます。

アディーレなら、遺言・遺産相続に関するご相談は何度でも無料です。
ぜひお気軽にお問合せください。

橋 優介
この記事の監修者
弁護士
橋 優介
資格
弁護士、2級FP技能士
所属
東京弁護士会
出身大学
東京大学法学部

弁護士の職務として特に重要なことは、「依頼者の方を当人の抱える法的問題から解放すること」であると考えています。弁護士にご依頼いただければ、裁判関係の対応や相手方との交渉などは基本的にすべて弁護士に任せられます。私は、弁護士として、皆さまが法的な心配をせず日常生活を送れるように、陰ながらサポートできる存在でありたいと考えています。

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